2026.01.07

トラック運転手が辞める理由と退職を悩む場合の判断基準

トラック運転手として働く中で「このまま続けるべきか」と悩む時期は誰にでも訪れるものです。長時間労働や体力的な負担、給与面の不満など理由は様々ですが、本当に辞めるべきなのか、それとも環境を変えるべきなのか判断に迷うこともあるでしょう。

この記事では、トラック運転手が辞める一般的な理由から、辞めるべきケース、悩んだ時の判断基準まで解説します。

トラック運転手を辞める主な理由とは

トラック運転手の離職率は高く、慢性的な人手不足が業界の課題となっています。辞める主な理由を見ていきましょう。

長時間労働と不規則な生活

トラック運転手の仕事は単に運転するだけでなく、荷物の積み降ろしや待機時間も含めて労働時間が長くなりがちです。特に中長距離輸送の場合、拘束時間が長く、不規則な生活を強いられることもあります。

このような長時間労働と不規則な生活リズムが続くと、心身の疲労が蓄積され、仕事への意欲低下につながります。

体力的な負担と健康面の不安

トラック運転手は体力を必要とする職業です。長時間の運転姿勢の維持や、荷物の積み降ろし作業など、体に負担がかかる場面が多く、腰痛や肩こりなどの症状に悩まされるドライバーは少なくありません。特に手積みがある仕事では、身体への負担はさらに大きくなります。

年齢を重ねるにつれて体力の衰えを感じ、健康面の不安から退職を考えるケースも多いです。

給与や残業代の不満

トラック運転手の平均月給は、大型トラックで35万円程度、中・小型では30万円前後と言われています。しかし、実際の給与は会社によって大きく異なり、業務内容や労働時間に見合った報酬が得られないと感じるドライバーもいます。

また、残業代が適切に支払われない、荷待ち時間や荷役作業の時間が労働時間として認められないといったケースもあり、給与面の不満につながっています。

人間関係のストレス

トラック運転手は一人で仕事をする時間が長いものの、事務所での時間や配送先でのやり取りなど、人間関係が全くないわけではありません。上司や同僚との関係がうまくいかない場合、それがストレスとなって退職を考えることもあります。

特にパワハラやいじめなどの不当な扱いを受けている場合は、心身の健康を損なう原因になりかねません。

家庭との両立の難しさ

トラック運転手、特に中長距離ドライバーは、家を空ける時間が長く、家族との時間を確保するのが難しい職業です。子育てや親の介護など家庭の事情が生じた場合、今の働き方を続けるのが困難になることもあります。

家族との時間を大切にしたい、育児や介護に関わりたいという思いと仕事の両立が難しくなり、退職を検討するドライバーも増えています。

すぐに辞めるべきケースと注意点

トラック運転手として働く中で、以下のようなケースに該当する場合は、すぐに退職を検討した方が良いでしょう。

法令違反がある職場環境

法令を守らない会社は、ドライバーの安全や権利を軽視している可能性が高いです。長時間労働や休憩・休日の不足、過積載の強要など法令違反がある職場は、すぐに辞めることを検討しましょう。

労働基準法や道路運送法に違反する業務を強いられることは、ドライバー自身の法的リスクにもつながります。重大事故が起きる可能性も高まるため、自分の安全を守るためにも見過ごすべきではありません。

健康に支障が出ている場合

仕事が原因で体調を崩している場合は、すぐに環境を変えるべきです。腰痛や睡眠障害、高血圧などの症状が悪化している場合、無理を続けると取り返しのつかない健康被害につながる可能性があります。

健康を害してからでは遅いため、体調不良の兆候を感じたら、まずは医師に相談し、必要に応じて勤務条件の変更や転職を検討しましょう。

給与未払いや不当な扱い

給与や残業代の未払い、遅延が発生している場合は、労働基準法違反の可能性が高く、今後も同様の問題が続く恐れがあります。給与の未払いや遅延は、会社の経営状態が悪化している兆候かもしれません。

また、事故の修理代を全額自己負担させられる、荷物の破損費用を請求されるなど、不当な扱いを受けている場合も、労働環境として健全とは言えません。

安全対策や車両点検の不備

トラック運送業では、3か月ごとの定期点検や日常点検が法令で義務付けられています。点検整備を怠る会社は、ドライバーの安全を軽視していると言わざるを得ません。

整備不良の車両で業務を行うことは、事故のリスクを高め、最悪の場合は命に関わる問題です。安全対策や車両点検に不備がある会社は、すぐに辞める検討をすべきでしょう。

辞めるべきか悩む場合の判断基準

即座に辞めるべき明確な理由がない場合でも、様々な不満や悩みを抱えていることがあります。以下の判断基準を参考に、自分の状況を冷静に分析してみましょう。

問題は会社を変えれば解決するか

現在抱えている問題が、会社特有のものか、業界全体に共通するものかを見極めることが重要です。給与体系や労働時間、人間関係など、会社を変えることで改善する可能性が高い問題であれば、転職が解決策になるかもしれません。

一方、業界全体の構造的な問題であれば、同業他社に転職しても同じ悩みを抱える可能性があります。その場合は、他業種への転職を検討する必要があるでしょう。

一時的な状況か継続的な問題か

現在の不満や問題が一時的なものか、継続的なものかを見極めることも大切です。例えば、繁忙期の一時的な忙しさなのか、年間を通じて長時間労働が続く状況なのかで対応は異なります。

一時的な状況であれば、その期間を乗り切れば解決するかもしれません。しかし継続的な問題であれば、根本的な環境の変更が必要になるでしょう。

転職先の見通しはあるか

辞める決断をする前に、転職先の見通しを立てておくことが重要です。特に30代以降は転職市場が厳しくなる傾向があり、転職先が決まらないまま退職すると、経済的に苦しい状況に陥る可能性があります。

転職エージェントに相談したり、求人情報を調査したりして、実際に転職できる可能性を見極めてから決断するのが賢明です。

体力や年齢と相談:長く続けられるか

トラック運転手は体力を必要とする職業であり、年齢を重ねるにつれて厳しさを感じるようになります。自分の体力や年齢を考慮して、今後も長く続けられる仕事かどうかを判断することも大切です。

若いうちは問題なくこなせた業務も、年齢とともに負担に感じることがあります。将来を見据えて、今のうちから別の道を探すという選択肢もあります。

辞めにくい状況の打開策

辞めたいと思っていても、様々な理由から辞めにくい状況に陥ることがあります。そんな時の打開策を紹介します。

上司からの引き留めへの対応

退職の意思を伝えると、人手不足を理由に強く引き留められることがあります。しかし、退職は労働者の権利であり、法律上は退職の申し出から2週間経過すれば退職できることになっています。上司からの引き留めに対しては、自分の決意が固いことを丁寧に伝え、冷静に対応することが重要です。

引用元:厚生労働省「退職の申出は2週間前までに」

借金や免許取得費用の問題

会社の支援で免許を取得した場合、一定期間勤務しないと費用の返還を求められることがあり、この「借金」が退職の障壁になることもあります。免許取得費用の返還義務は、あくまでも契約条件に基づくものであり、その条件が合理的かどうかは検討の余地があります。

不当に高額な返還を求められる場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することも検討しましょう。

未払い金や修理代の清算

退職時に未払いの給与や残業代がある場合は、きちんと清算してもらうことが重要です。労働基準法では、未払いの賃金は請求から7日以内に支払わなければならないと定められています。未払い金がある場合は、書面で請求しましょう。

引用元:労働基準法|e-Gov法令検索

退職代行サービスの活用法

どうしても自分で退職の意思を伝えるのが難しい場合は、退職代行サービスの利用も選択肢の一つです。退職代行サービスは、本人に代わって会社に退職の意思を伝え、必要な手続きをサポートしてくれます。特に、パワハラなどのトラブルがある職場では、精神的な負担を軽減するために有効です。

転職先選びで失敗しないポイント

転職後も同じような状況に陥らないために、転職先選びのポイントを確認しましょう。

労働条件の徹底比較

転職先を選ぶ際は、給与だけでなく、労働時間や休日数、残業の状況なども含めた労働条件全体を比較することが重要です。表面上の給与が高くても、長時間労働が常態化していては、時給換算では低くなることがあります。

福利厚生と待遇の確認

福利厚生も重要な判断材料です。充実した福利厚生は、長く働き続けるために重要な要素となります。

  • 社会保険の完備
  • 有給休暇の取得状況
  • 各種手当の有無
  • 住宅手当や家族手当
  • 食事補助など

会社の安全対策をチェック

安全対策は、ドライバーの命に関わる重要な問題です。会社が安全にどれだけ投資しているかで企業の姿勢がわかります。

  • 車両の点検整備状況
  • 安全教育の実施状況
  • ドライブレコーダーの設置
  • 事故時の対応
  • 保険の加入状況

資格支援制度の有無

キャリアアップを考えるなら、資格取得の支援制度がある会社を選びましょう。大型免許や牽引免許、危険物取扱者などの資格取得をサポートしてくれる会社であれば、長期的な成長が期待できます。

まとめ

トラック運転手として働く中で、辞めるか続けるかの判断に迷うことは誰にでもあります。長時間労働や体力的な負担、給与面の不満など、様々な理由から退職を考えても、すぐに辞めるべきケースと慎重に判断すべきケースを見極めることが大切です。

特に法令違反がある職場環境や健康に支障が出ている場合は早急に退職を検討すべきでしょう。一方で、問題が一時的なものか継続的なものか、会社を変えれば解決するのかなど、冷静に分析することも重要です。

退職を決めた場合は、上司からの引き留めにも毅然と対応し、借金や未払い金などの問題も解決しておきましょう。そして次の転職先を選ぶ際は、労働条件や福利厚生、安全対策などをしっかりチェックして、同じ失敗を繰り返さないことが大切です。

最終的には、自分自身の健康と将来を第一に考えた選択が、結果的に良い方向に進む第一歩となるでしょう。

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