2025.12.23
トラックドライバーが転職で有利になる資格と選び方完全ガイド
運送業界では資格の有無が収入やキャリアパスに大きく影響します。トラックドライバーとしてのキャリアアップを目指すなら、どのような資格を取得すべきでしょうか。
この記事では、転職時に有利になる資格の種類から取得方法、実際の収入アップにつながるデータまで、トラックドライバーの転職を成功させるための情報を網羅的に解説します。
自分のキャリア目標に合った資格を見つけ、次のステップへ進むための参考にしてください。
トラックドライバー転職で資格が有利な理由
物流業界において資格は単なる証明書ではなく、収入アップと職域拡大のカギとなります。有資格者は無資格者と比較して、平均で10~30%程度の収入差があるというデータもあります。具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
応募可能な求人の幅が大きく広がる
資格取得の最大のメリットは、運転できる車両の種類が増え、より多くの求人に応募できる点です。特に中型・大型・けん引免許は、それぞれ運転できる車両の範囲が広がるため、選択肢が格段に増加します。
たとえば大型免許があれば、地場配送だけでなく長距離輸送や特殊車両の運転など、より専門性の高い仕事にもチャレンジできるようになります。
専門スキルの客観的な証明になる
もう一つのメリットは、専門スキルの証明になるという点です。物流業界では特殊車両の運転技術や安全管理能力が高く評価されるため、資格を持つことで採用担当者に自分の能力を客観的に示せます。これにより、採用時の初任給交渉においても有利な立場に立つことができるでしょう。
運転免許の種類と転職時の優位性
トラックドライバーの基本となるのは運転免許です。免許の種類によって運転できる車両が異なり、それに応じて職域と収入に差が生まれます。それぞれの免許がどのように転職に有利になるのか見ていきましょう。
中型免許で広がる転職先の選択肢
中型自動車免許は、車両総重量7.5t以上11t未満、最大積載量4.5t以上6.5t未満の車両を運転できる免許です。4tトラックや6tトラックを運転できるようになるため、普通免許だけの状態と比較して、応募可能な求人数が約3倍に増加するという調査結果もあります。
中型免許の取得条件
- 満20歳以上
- 普通免許等を取得し、運転経歴が通算2年以上ある(免停期間を除く)
- 視力や身体条件などの基準を満たしていること
地方配送や市内配送などの中距離ドライバーとして働く場合、この中型免許は最低限持っておきたい資格です。物流センターから小売店舗への配送業務など、都市部でも活躍の場が多いのが特徴と言えるでしょう。
大型免許取得でキャリアアップを実現
大型自動車免許は、車両総重量11t以上、最大積載量6.5t以上の車両を運転できる免許です。この免許を取得すると、長距離輸送や大型貨物の輸送に携われるようになり、基本給や手当が上がるケースが一般的です。
大型免許を持つドライバーの平均年収は、中型免許のみの場合と比較して約50万円ほど高いというデータもあります。特に工業製品や大型機械の輸送業務では、大型免許保持者の需要が高く、転職市場での競争力が大幅に向上します。
大型免許の取得条件
- 満21歳以上
- 普通免許等を取得し、運転経歴が3年以上経過している
- AT限定の場合はMT免許への限定解除が必要
大型免許があれば、ダンプカーやタンクローリーなど、より専門性の高い車両も運転できるため、キャリアの選択肢が大きく広がります。
けん引免許で専門性を高める
けん引免許は、トレーラーやキャリアカーなどの特殊車両を運転するために必要な免許です。普通・準中型・中型・大型・大型特殊のいずれかの免許と組み合わせることで、車両総重量750kg以上の車両をけん引できるようになります。
この免許を持つドライバーは相対的に少ないため、高い専門性を持つドライバーとして評価されることが多いです。港湾地域や工業地帯での仕事が多く、平均年収も他の免許と比較して高い傾向にあります。
けん引免許の取得条件
- 満21歳以上
- 普通運転免許の経験3年以上
- 深視力検査3回の平均誤差が20mm以内であること
海上コンテナの輸送や特殊貨物の移動など、特殊技能を要する業務に就くことができるため、キャリアアップを目指すドライバーにとって有力な選択肢となります。
収入アップに直結する物流業界の資格
運転免許以外にも、物流業界で働く上で役に立つ資格はたくさんあります。ここでは、特に収入アップに直結しやすい資格を紹介します。
フォークリフト免許の需要と活用法
フォークリフト運転技能者の資格は、物流現場では必須の資格と言えるでしょう。トラックドライバーが荷物の積み下ろしを行う倉庫では、ほぼ間違いなくフォークリフトが使用されています。
最大積載荷重が1tを超えるフォークリフトを操作するには、都道府県登録教習機関での「フォークリフト運転技能講習」を受講・修了する必要があります。期間は約5日間、費用は3〜5万円程度で、比較的短期間で取得可能です。
この資格を持っていると、ドライバー兼荷役作業者として活躍できるため、給与面での評価も高くなります。特に中小企業では「運転も荷役もできる人材」が重宝されるため、転職時の強みになるでしょう。
玉掛け資格で仕事の幅を広げる
玉掛け作業者は、クレーンやホイストで荷物を吊り上げる際に、フックに荷物をかけたり外したりする作業を行う資格です。建設資材の運搬や機械設備の搬入など、重量物の運搬業務で必要となります。
資格取得の条件は満18歳以上で、特別教育の場合は1日程度、技能講習の場合は3日程度の講習を受ける必要があります。費用は1万円〜3万円程度と比較的リーズナブルです。
この資格があると、建設現場や工場への配送業務に就きやすくなり、専門性の高い業務に携わることができます。また、フォークリフト免許と組み合わせることで、さらに職域が広がるのもメリットです。
危険物取扱者で専門職へのステップ
危険物取扱者は、ガソリンや化学物質などの危険物を扱う際に必要な国家資格です。物流業界では、危険物を搭載したタンクローリーなどを運転する際に必要となります。
資格には甲種・乙種・丙種の3種類がありますが、運送業界では特に乙種第4類(ガソリン・灯油・軽油等)の需要が高いです。試験勉強が必要ですが、2〜3ヶ月程度の学習で十分合格可能なレベルです。この資格を持つことで、化学工場や石油関連施設への輸送など、より専門性の高い業務に就くことができます。危険物輸送は一般的な貨物輸送と比較して平均時給が10〜20%程度高い傾向にあり、収入アップに直結しやすい資格と言えるでしょう。
管理職を目指すなら取得したい資格
長期的なキャリアプランとして管理職を目指す場合、現場作業だけでなく管理系の資格も視野に入れることが大切です。ここでは、物流業界の管理職に役立つ資格を紹介します。
運行管理者資格のキャリアパス
運行管理者は、トラックなどの営業用自動車の安全運行を管理する国家資格です。運送会社は、保有する営業用車両の台数に応じて一定数の運行管理者を配置することが法律で義務付けられています。
この資格を取得するためには、国家試験に合格するか、一定の実務経験(5年以上)と講習の受講が必要です。試験の合格率は約40%程度で、勉強次第で合格可能なレベルです。
運行管理者になると、現場のドライバーではなく管理者として勤務することになります。主に乗務割の作成やドライバーの健康管理、安全指導などを行います。ドライバーから管理職へのキャリアチェンジを考えている方にとって、ステップアップの足がかりとなる重要な資格です。
物流技術管理士の将来性と役割
物流技術管理士は、物流の専門知識や管理技術を証明する民間資格です。物流センターの運営や効率化、コスト削減などに関する知識を習得できます。
この資格を取得するには、約3ヶ月間の研修を受講し、試験や課題レポートに合格する必要があります。費用は50万円前後と高額ですが、物流業界では高く評価される資格です。
物流技術管理士の資格を持つと、物流センター長や運営責任者などの管理職ポジションに就きやすくなります。また、物流コンサルタントなど、より専門性の高い仕事にも挑戦できるようになるため、キャリアの幅が大きく広がるでしょう。
転職時に有利な資格取得のコツ
資格取得は時間と費用がかかるものの、効率的に進めるコツがあります。ここでは、資格取得を成功させるためのポイントを紹介します。
企業の支援制度を活用する方法
多くの運送会社では、従業員のスキルアップのために資格取得支援制度を設けています。この制度を上手に活用することで、費用負担を軽減しながら資格を取得することができます。
支援内容は企業によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。
- 受験料や講習費用の全額または一部負担
- 試験日や講習日の特別休暇付与
- 資格取得後の手当支給
転職先を選ぶ際は、このような支援制度の有無を確認しておくと良いでしょう。特に中型免許や大型免許の取得には高額な費用がかかるため、企業の支援制度がある会社を選ぶことで、キャリアアップの負担を減らすことができます。
資格取得にかかる期間と費用の目安
資格によって取得にかかる期間と費用は大きく異なります。主な資格の目安は以下の通りです。
運転免許関連
- 中型免許:2週間〜1ヶ月、15〜25万円
- 大型免許:1〜2ヶ月、30〜40万円
- けん引免許:2週間程度、15〜20万円
技能系資格
- フォークリフト:5日間程度、3〜5万円
- 玉掛け:1〜3日間、1〜3万円
- 危険物取扱者(乙4):独学の場合2〜3ヶ月、受験料5,000円程度
管理系資格
- 運行管理者:3〜6ヶ月の勉強期間、受験料9,000円程度
- 物流技術管理士:約3ヶ月の研修期間、50万円前後
転職を考える際には、資格取得にかかる期間も考慮して計画を立てることが大切です。特に運転免許は取得に時間がかかるため、前もって準備を始めておくと良いでしょう。
資格別・年収アップの実績データ
資格取得がどれだけ収入アップにつながるのか、具体的なデータを見てみましょう。全日本トラック協会の調査によると、2023年度の平均賃金は以下のようになっています。
男性ドライバーの場合
- 平均:345,400円/月
- けん引運転者:401,700円/月(平均より約5.6万円高い)
- 大型運転者: 365,000円/月(平均より約2万円高い)
- 中型運転者: 307,900円/月
- 準中型運転者: 304,200円/月
- 普通運転者:292,300円/月
女性ドライバーの場合
- 平均: 292,300円/月
- けん引運転者: 382,300円/月(平均より約9万円高い)
- 大型運転者: 328,300円/月(平均より約3.6万円高い)
- 中型運転者:282,900円/月
- 準中型運転者: 285,300円/月
- 普通運転者:232,100円/月
このデータから、上位の免許を持つドライバーほど賃金が高いことがわかります。特にけん引免許や大型免許は、年間で見ると50〜100万円程度の収入差につながる可能性があります。
また、技能系資格や管理系資格については、多くの企業で資格手当として月に5,000円〜2万円程度が支給されるケースが多いようです。複数の資格を組み合わせることで、さらなる収入アップが期待できます。
まとめ
トラックドライバーの転職において、資格は重要な武器となります。運転免許の種類によって運転できる車両の範囲が広がり、技能系資格があれば業務の幅が広がります。さらに管理系資格を取得すれば、管理職へのキャリアアップも視野に入れることができるでしょう。
特に注目すべき資格は以下の通りです。
- 大型自動車免許
収入アップに最も直結しやすい資格 - フォークリフト
多くの現場で必須となる基本的な資格 - 危険物取扱者
専門性を高め、高収入につながる資格 - 運行管理者
管理職を目指す上で重要なステップとなる資格
資格取得には時間と費用がかかりますが、支援制度のある企業を選ぶことで負担を軽減できます。自分のキャリアプランに合った資格を計画的に取得し、転職市場での競争力を高めていきましょう。






