2026.01.08

女性トラック運転手の現状・メリットとデメリットをご紹介

トラック運転手と聞くと、男性中心の職業というイメージが強いかもしれません。しかし近年、物流業界の人材不足を背景に女性ドライバー「トラガール」の需要が高まっています。

この記事では、女性トラック運転手のメリット・デメリットや給与事情、やりがいについて解説します。

女性トラック運転手の現状と給与事情

トラック運転手の世界にも女性が増えてきています。働き方改革や設備の改善により、女性が活躍できる環境が整いつつあるのです。

近年の女性ドライバー事情と傾向

2022年時点の運送業界全体における女性トラック運転手の割合は約3.6%、人数にして約3万人程度とされています。これまで男性中心の業界だったため、女性が参入するハードルが高かったのは事実でした。

しかし2023年の運転免許データによると、大型免許を持つ女性は14万6千人以上と、潜在的な女性ドライバー候補は相当数存在しています。業界の高齢化や物流需要の増加に伴い、女性ドライバーの採用に積極的な企業も増加中です。

引用元:警視庁「運転免許統計」

トラガール促進プロジェクトについて

国土交通省は2014年、「トラガール促進プロジェクト」を立ち上げました。「トラガール」とは「女性(girl)のトラックドライバー」を意味する造語です。

このプロジェクトでは、女性ドライバーが働きやすい環境づくりに力を入れています。進められているのは、コンビニのトイレを借りられるようにする取り組みや、女性専用の休憩施設の整備などです。

女性ドライバーの平均収入

女性ドライバーの場合、小型・中型トラックでの近距離配送や地域密着型の業務に従事する割合が高いため、平均年収は約400万円程度となっています。

会社によって差がありますが、給与体系は固定給と歩合給の組み合わせが一般的で、勤務時間や運送距離に応じて収入が変動します。

経験やスキルによる収入アップの可能性

トラック運転手は経験とスキルを積むと、着実に収入をアップさせることができます。特に小型から中型、大型へとステップアップするにつれて給与も上がります。

また、危険物取扱者などの資格を取得すれば、専門的な運送業務を担当できるようになり、収入増加につながるでしょう。多くの企業では資格取得支援制度を設けており、キャリアアップを後押ししています。

女性トラック運転手の5つのメリット

女性がトラック運転手として働く魅力は様々あります。男性中心の業界だからこそ、女性ならではの強みを活かせる場面も多いのです。

1.女性ならではの気配りが評価される

女性は一般的に細部への配慮が得意とされています。丁寧な対応や心配りは荷主や配送先から高く評価され、企業の信頼向上に貢献できます。

配送時の言葉遣いや身だしなみ、荷物の扱い方ひとつをとっても、女性ならではの繊細さが活きます。男性ドライバーが多い環境では、女性特有の視点や気配りがより一層際立つでしょう。

2.体を動かす健康的な仕事環境

デスクワークとは異なり、トラック運転手の仕事は適度に体を動かす機会があります。荷物の積み下ろしや配送作業は、日常的な運動になるのです。

長時間同じ姿勢でいるデスクワークよりも体を動かす機会が多いので、健康維持につながります。運動不足になりがちな現代社会において、仕事をしながら自然と体を動かせる環境は理想的と言えるでしょう。

3.運転好きにとっての理想の職場

運転が好きな女性にとって、トラック運転手は「好き」を仕事にできる理想的な職業です。様々な道を走り、新しい景色を見る楽しさは、大きな魅力となります。

特に中長距離運転の場合は、普段行かないような場所を訪れる機会も多く、一種の小旅行のような気分も味わえるでしょう。運転技術も日々向上していくため、スキルアップの実感も得られます。

4.女性のお客様からの安心感

女性ドライバーの存在は、女性のお客様にとって安心感をもたらします。見知らぬ男性が来ることへの不安を感じる女性も少なくありません。女性ドライバーであれば、そうした心理的な抵抗感を軽減できるのです。

通販の普及に伴い、衣料品やアクセサリーなど女性向け商品の配送も増加しています。同性が届けることで、より安心して受け取ってもらえます。

5.実力次第でキャリアアップできる

トラック運転手は実力主義の世界でもあります。女性であっても、技術や実績を積み重ねることでキャリアアップが可能です。

小型トラックから中型、大型へとステップアップしていくことや、特殊な貨物を運ぶ資格を取得することで、より専門性の高い業務を担当できるようになります。長年の経験を活かして配車管理や営業職へキャリアチェンジする道も開かれているのです。

女性トラック運転手の4つのデメリット

メリットがある一方で、女性がトラック運転手として働く上でのデメリットも存在します。現実的な視点から、課題となる部分も理解しておきましょう。

1.肉体労働と体力面での課題

トラック運転手の仕事は、重い荷物の積み下ろし作業を伴うことが多いです。女性は男性と比較して筋力や体力に差があるため、この点は大きな課題となります。

最近では機械化やアシスト機器の導入が進んでいますが、すべての現場で対応が完了しているわけではありません。体力面での不安がある場合は、荷役作業の少ない職場を選ぶことも重要です。

2.拘束時間の長さと働き方

トラック運転手の仕事は、拘束時間が長くなりがちです。特に長距離運転の場合、早朝の出発や深夜の到着などが発生し、生活リズムが不規則になることもあります。

女性、特に家庭を持つ女性にとって、この不規則な勤務形態は大きな障壁となり得るでしょう。子育てや家事との両立が難しく、プライベートの時間を確保するのも容易でないこともあります。

3.女性用トイレ問題の現状

女性トラック運転手が直面する現実的な問題として、配送先や休憩施設に女性用トイレが設置されていないケースがあります。男性ドライバーが多数を占める業界では、女性用の設備が十分に整っていない場所も少なくないのです。

このため、女性ドライバーは事前にトイレの場所を把握しておくなど、独自の対策を講じる必要があります。中長距離運転の場合は特に、計画的なルート設定や休憩場所の確保が重要になってくるでしょう。

4.休暇取得の難しさ

運送業界は人手不足が深刻で、急な休みを取りにくい環境にあることが多いです。特に女性特有の体調不良や、子どもの急な発熱などへの柔軟な対応が難しい場合もあります。

配送時間が決められている中での急な休暇は、代替ドライバーの確保が難しいでしょう。ただし、女性ドライバーの増加に伴い、休暇制度や代替要員の確保など、柔軟な勤務体制を整える企業も増えています。

女性トラック運転手のやりがい

デメリットがある一方で、女性トラック運転手ならではのやりがいも数多く存在します。この仕事の醍醐味を知れば、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。

社会貢献度の高さを実感できる

トラック運転手は日本の物流を支える重要な職業です。私たちの日常生活に必要なあらゆるものを運ぶという、社会になくてはならない役割を担っています。

食料品や日用品、医薬品など、生活に不可欠なものを全国各地に届けることで、社会の基盤を支えているという実感が得られるのです。特にインターネット通販の普及により、トラック運転手の存在はより身近になりました。

感謝の言葉がモチベーションに

配送先で「ありがとう」や「お疲れ様」といった感謝の言葉をかけてもらえることは、大きなモチベーションになります。

特に女性ドライバーの場合、丁寧な対応や心配りが評価され、リピート配送を希望されるケースもあるでしょう。このような直接的な感謝の言葉は、仕事の疲れを癒し、やりがいにつながります。

女性トラック運転手になるための準備

女性トラック運転手として働くためには、いくつかの準備が必要です。円滑なキャリアスタートのために、事前に確認しておきましょう。

必要な免許と取得方法

トラック運転手として働くためには、運転する車両に応じた免許が必要です。小型トラックなら普通免許や準中型免許、中型・大型トラックならそれぞれの免許が求められます。より大きな車両を運転するほど、給与も上がる傾向があります。

免許取得のためには、自動車学校での学科・技能教習の受講が一般的です。就職先によっては免許取得支援制度を設けているところもあるので、確認してみましょう。

女性に優しい企業の選び方

女性トラック運転手として働く上で、職場環境はとても重要です。以下のポイントを確認すれば、女性に優しい企業を見極められます。

  • 既に女性ドライバーが活躍しているかどうか
  • 休憩施設や更衣室、女性用トイレなどの設備が整っているか
  • 産休・育休制度や時短勤務など、ライフステージに合わせた働き方ができるか

さらに、荷役作業のサポート体制や、安全運転のための教育制度なども確認しておくと良いでしょう。面接時には遠慮せずに、女性が働きやすい環境について質問することをおすすめします。

まとめ:女性トラック運転手のキャリア選択

女性トラック運転手として働くことには、明確なメリットとデメリットが存在します。

メリット

  • 女性ならではの気配りが評価される
  • 体を動かす健康的な環境
  • 運転好きにとって理想の職場
  • 女性客からの安心感
  • 実力次第でのキャリアアップ

デメリット

  • 肉体労働の負担
  • 長時間の拘束
  • 女性用トイレ問題
  • 休暇取得の難しさ

トラック運転手を目指す女性は、これらのメリット・デメリットを十分に理解した上で、自分の適性や希望するライフスタイルに合った企業選びが重要です。

国土交通省の「トラガール促進プロジェクト」の影響もあり、業界は女性が働きやすい環境づくりに前向きに取り組んでいます。トラック運転手としての職業選択が、あなたの新たなキャリアステージとなることを願っています。

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