2026.02.06
OTTロジスティクス 山之内様
キャリアパスについて
——なるほど。評価制度に派生してきますが、キャリアパスについても教えてください。新卒入社のキャリアパスや、御社が望むイメージなどがあれば教えてください。
20代前半は、実務作業をしっかり覚えること、できる工程の数を増やすことに注力してもらいます。早ければ20代後半、もしくは30歳前後で、アルバイト・パートをまとめて進捗管理をする班長職に昇格。35歳ぐらいまでの間で係長職(管理職一歩手前)に就いていただき、早ければ30代、通常なら40代前半で課長職、というステップアップが一般的です。もちろん能力や吸収スピードで前後します。最近は、管理職に昇格させる年齢が上がってきており、ほぼ40代過ぎてからの人が多いです。
——年齢が上がってきている理由は、会社規模が大きくなり、求められる深さが増えたから、という理解でよろしいでしょうか。
おっしゃる通りです。求められる深さ、レベル感が上がってきたので、簡単に昇進できるステージではなくなってきています。
——管理職昇格には、試験や研修などのプロセスもあるのですか。
係長に昇格するまでは事業部判断でも決裁できますが、管理職昇格は試験や研修を受け、推薦がないと昇格できません。最終的には役員面談を受けて合格、というプロセスです。管理職だけハードルを設けています。
——ちなみにゼネラリストではなくスペシャリスト志向の従業員の方が出てきた場合、御社として、今後どのようにサポートされていく予定でしょうか。
システムを含めた間接部門では、スペシャリスト体系を組むことは可能だと思います。
ただ、倉庫・輸送の本業では難しいと思います。極めるとなると、生産性をどう上げるか、どんな仕組みを作るか、という話になり、スペシャリストというよりマネジメントに近くなるので、間接部門であれば検討の余地がある、と考えています。
コロナ前後の採用基準、母集団形成について
——ありがとうございます。それでは次の質問として、採用に関する話に入らせてください。コロナ前後で採用基準を変えられた、あるいは採用の流れを変えた点はありますか。
採用基準自体は、大きく変えていないです。ただ、コロナ前後で採用市場はものすごく変わったと思っています。
弊社は1,050名のうち7割が非正規ですが、コロナ前は求人倍率も1.5を超えていたと思います。出しても出しても来ない、という状況でした。
コロナ禍に入って業績もストップし、半導体不足とも重なり、弊社は人員が落ち着いて採用ニーズも減っていきました。ちょうどありがたいタイミングではありました。
ただ、明けた後は採用がしんどくなるだろうと思っていたので、コロナ禍の時期(2020年終わり頃)から準備を進め、2022年に待遇改善として給与体系を大きく変え、昇給などのレンジを引き上げました。
そういった変化はありましたが、繰り返しになりますが大きく基準自体は変わってないですね。逆に言えば、応募が少なくなる中でどう採用していくか、そこに注力してきたように思います。
——母集団形成、いわゆる応募が少なくなる中でも集める施策として、意識されたことはありますか。
一時期、無料の求人媒体が出てきて、それをかなり活用していました。採用単価を下げ、採用人数は要請に応えながらも採用コストを下げようという考えです。しかしながらコロナ後になって無料枠が淘汰され、有料でないと、そもそも成果に繋がらない状況になり、有料媒体の模索もしました。
ただ、本当に力を入れ、意識したのは、事業部の言うことを100%そのままやっていると採用できるものもできない、という考え方への転換です。
母集団形成として媒体を増やすこともありますが、特に力を入れているのは、求人募集地域の相場感を徹底的に調べることや、新規拠点立ち上げでは人口推移や産業動向など、客観的データを集めて仮説を立てる方向にシフトしました。
「こういう状況で、こういう条件で出せば応募がある」という仮説を立て、「この人数を集めるにはこれくらい出さないと集まりません」と言い切りながら事業部と交渉し、採用するための条件で世の中に出していく、という集め方です。
——現場との意見の相違は起きますよね。
ものすごくあります。「とりあえず求人出せばいいでしょ」みたいな感じで言われたりもします。
人材紹介会社の活用
——ちなみに先ほど、中途採用強化のために、人材紹介会社も活用した、と仰られていましたが、当時、人材紹介会社を活用すること自体、業界的に珍しかったのではと思うのですが、いかがでしょうか。
当初は抵抗感がありました。求人媒体は、いつも下から2番目のプランしか使わず、価格もリーズナブルだったのですが、人材紹介会社は1人採用するだけで100万円単位になるので。
一方で、当初は物流管理職ではなく、システムエンジニアの管理職の採用でした。そこで応募者の質が変わることを経営陣も二次面接・最終面接で体感してくれたようです。また大手求人メディア掲載で月100名の応募があっても、面接したい人が2名だけ、というようなデータを見せ、「ここに欲しい人はいない」と説明していました。結果としてエンジニアだけでなく物流領域でも続けて活躍してくれたので、「次も次も」と続けられた要因だと思います。
面接での評価ポイント
——結果、客観的データも示しながら、採用手段を使い分けていった、ということですね。続けて、御社が面接で評価しているポイントについて伺います。従業員が増えても変わらない、御社が求職者の方に求めるモノサシの本質・コアはどのようなところでしょうか。
テクニカルな部分でいうと、職務経歴書の書き方や、質問に対して定性的ではなく定量的に答えられる方かどうかを見ています。管理職は収支管理が一番の仕事なので、倉庫運営では作業売上・作業収支をどう管理するかが重要です。原価構造は同じなので、人件費率など、管理すべき指標への理解があるかを質問すると、知見があるかはスグに分かることもあります。さらに大事なのは「お人柄」です。仕事観が合致するか、優秀でもとっつきにくく、メンバーとうまくやれるかどうかを肌感で見ています。
——各面接官の採用基準を統一する取り組みについて、人事としてどのように進めてこられましたか。
私が面接に携わるのは基本的に係長クラス以上で、面接回数は基本2回です。1回目も2回目も私が出ます。今後は変えていきたい部分でもありますが、面接が不得意な方が多く、ご本人様も弊社をジャッジされる場になりますので、伝えたいことをキチンと伝えたいと考えております。私が場を温めて、最初に主導し、最後に「質問ありますか」とバトンを渡す形にしているので、軸がぶれることは殆どないです。
——山之内さんありきの採用になっており、大変ですね。
そうなんですよね。未だに面接ばかりやっています。


