2026.08.17
インターナショナルエクスプレス 若林様
中途採用における位置づけの変化
——なるほど、了解しました。その上で、コロナ以前、コロナ禍、そして現在という時間軸で見た際に、中途採用に対する期待値や位置づけについて、変化を感じられる点はございますでしょうか。
正直なところ、中途採用における期待値や位置づけについては、コロナ前・コロナ禍・現在を通して、大きく変化したという印象はありません。
当社の規模として、計画的に育成要員を多く抱えられるほどの体制ではないため、どうしても欠員が発生した場合や、新たな業務が立ち上がった際に人手が不足している部署に対して、中途採用を行うという形が基本となっています。そのため、コロナを境に採用方針が大きく転換した、ということは特にありません。
結果として、中途採用は「必要が生じたタイミングで行う」スタンスが中心となっており、意図しているわけではありませんが、通年採用に近い形になっている部分はあると思います。
また、新規事業拡大に伴う計画的な増員というよりは、どちらかといえば人員不足の補完という側面が強いのが実情です。ただし、社内異動や今後の人員配置を見据えた際に、あらかじめ補強しておきたい部署が見えてくることもあります。その場合には、新卒入社のタイミングを踏まえながら、「この部署には事前に人材を配置しておきたい」と判断し、中途採用を行うケースもあります。
中途採用の方針は大きく変わらず、人員不足や業務状況に応じて柔軟に実施。結果として通年採用に近い形で運用されています。
オンライン面接導入で何が変わったのか。採用判断のリアル
——ありがとうございます。
続いての質問となりますが、コロナ前と比較すると大きな変化は限定的であるというお話もございました。一方で、現在の中途採用市場について、何か変化を感じていらっしゃる点がございましたら、ぜひお聞かせいただければと思います。
例えば、採用手法やエントリー状況、内定承諾率などの面で変化を感じる点としては、オンライン面接の導入が最も大きな変化だと感じています。
コロナ以前は、面接官側にも「実際に対面で会って話をしたい」という意識が強く、オンライン面接はあまり取り入れていませんでした。しかし、対面での実施が難しくなったことをきっかけにオンライン面接を導入するようになり、採用活動の中でも一般的な手法として定着してきました。
結果として、対面面接の場合に見られた「オファー後の返答がない」「面接当日のキャンセルが発生する」といったケースが減り、オンライン面接に切り替えてからは、面接実施率が向上したと感じています。
——ありがとうございます。
実際に、オンライン面接と対面面接を比較された際の所感について、何か変化を感じられた点はございますでしょうか。
例えば、オンラインでは人物像を把握しづらく、採用判断において戸惑われたご経験があったのか、あるいは「オンラインでも対面でも、結果として大きな違いは感じなかった」といった印象をお持ちなのか、そのあたりについてお聞かせいただければと思います。
一次面接はオンライン、二次面接は対面という形で実施しておりました。
オンライン面接を導入したことで、応募の段階から遠方にお住まいの方にもエントリーいただけるようになり、その場合は二次面接もオンラインで対応するケースもありました。こうした運用は現在も継続しています。
やはり最終的な判断という点では、実際に対面でお会いした方が、内定の意思決定はしやすいと感じています。直接お会いすることで、人物像や雰囲気をより具体的に把握できるという点は大きいですね。
一方で、二次面接までオンラインで実施し、そのまま内定・入社に至った方の中にも、現在問題なく、同様に活躍されている方はいらっしゃいます。そのため、「オンラインだから判断を誤った」というケースはほとんどなかった印象です。
むしろ、一次面接をオンラインで行った際に少し違和感を覚えた方については、二次面接で実際にお会いしても印象が大きく変わらず、結果として見送る判断になるケースが多かったように思います。
そういった意味では、オンライン面接においても一定の見極めはできているという実感はあります。
オンライン面接の導入により応募機会が広がり、採用効率が向上。対面と組み合わせることで、精度の高い採用判断を実現しています。
母集団形成について
——ありがとうございます。中途採用について、もう少し踏み込んでお伺いできればと思います。
御社ではどのような母集団形成をされてますでしょうか?また、考え方で募集要件の設計や選考基準の策定を行っていらっしゃるのか、その点についてぜひお聞かせいただけますでしょうか。
母集団形成については、現在は主に大手媒体を活用しています。
募集内容を大手媒体に掲載し、基本的には媒体一本で進めている形ですね。ここ数年は、ほぼ媒体のみで採用活動を行っています。
あわせてハローワークにも求人は出しています。
ハローワーク経由の応募については、直近1年ほどはやや減少していますが、それ以前は比較的コンスタントに応募がありました。応募者の年齢層はやや高めではあるものの、30代の方からの応募も一定数ありましたので、現在も大手媒体と併用しています。
また、自衛隊の退職者向け求人も出しています。現役を退職された自衛官の方を対象とした募集ですね。
実際に元自衛官の方と面接をしたこともありますし、現在勤務している社員もおります。
——私自身、現在求職者の方々と面談をさせていただく中で、自衛官の方とお話する機会もございます。
実際のところ、自衛官の方がこれまでとは全く異なる職種へ転職されるケースも多いかと思いますが、御社ではそうしたご経歴をお持ちの方が活躍されている印象はございますでしょうか。
中途採用においては、未経験の方が応募されるケースも多いため、正直なところ、前職の業界や職種よりも「その方ご自身の姿勢」が大きいと考えています。
自衛官の方をはじめ、全く異なる業界・職種から転職される方であっても、この業界に興味を持ち、前向きに学ぼうとする意欲のある方は、着実に知識やスキルを身につけていかれます。自衛官の方は、これまでとは異なる職種への転職になるケースが多いですが、真面目で責任感が強く、業務への適応力も高い印象があります。実際に現場で活躍されている方もいらっしゃいます。
そのため、前職のバックグラウンドそのものよりも、「どれだけこの業界に関心を持っているか」「どれだけ挑戦してみたいという思いがあるか」が、入社後の成長や活躍に大きく影響すると感じています。
大手求人媒体を中心に母集団形成を行い、ハローワークや自衛官向け採用も併用。経験にとらわれず、意欲や姿勢を重視した採用を行っています。
現在感じている課題と改善案
——ありがとうございます。
そのうえで、現在の中途採用における課題についてお伺いできればと思います。
どのような点に課題感をお持ちか、教えていただいてもよろしいでしょうか。
従来と同様の条件で大手媒体に掲載している中で、掲載期間あたりの応募者数は年々減少傾向にあると感じています。
同じ内容・条件で掲載していても、以前ほどの反響は得られにくくなっているのが実情です。
こうした状況を踏まえ、直近ではいくつかの取り組みを進めています。
今年の前半にはPR動画を制作し、YouTubeや自社ホームページ上で視聴いただくことを想定した発信を開始しました。また、採用専用サイトを新たに立ち上げ、できる限り情報開示を行うとともに、社員インタビューなどを通じて、実際に働く社員の顔や雰囲気が伝わるようなコンテンツの充実にも取り組んでいます。
正直なところ、現時点ではこれらの施策が直接的に応募数の増加につながっているという実感はまだありません。
ただし、採用ブランディングは短期的な効果を求めるものではないと考えており、中長期的な視点で継続していくことが重要だと捉えています。
少なくとも、こうした取り組みを行っていなければ、今以上に応募が減っていた可能性もあると感じており、「やらないよりは確実に意味がある」と考えています。
応募数の減少を受け、PR動画や採用サイトの整備など情報発信を強化。中長期的な視点で採用ブランディングに取り組んでいます。



